復活!/book1

Please call me
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【Please call me】




雲雀さんと恋人同士になって早半年が経ちました。手を繋いだりデートをしたりと、恋人らしい事はそれなりにしてきました。けれどハルは、ある事をするのを忘れていたんです。…なんとハル、雲雀さんの事を名前で呼んだ事が無いんですよ。
と、いう訳で。今日は名前呼びにチャレンジ!…してみたのですが。


「き、きききき、き…」

「君って日本語喋れない程馬鹿だったっけ?」

「はひ!違います!」


本人の前では、頑張っても“き”までしか言えないんです。いざとなると恥ずかしいし、何だか緊張もしちゃうし。はひ、名前呼びって思ってたよりも難しいです。
でもハルはここで諦める訳にはいかないのです。だって、雲雀さんの顔がだんだん険しくなってきているんですもの。ここで諦めて違う話題をしても、結局は問い詰められるに違いありません。そうなる前に、何としてでもハルが早く言わなければ…!


「き、き…っきょ、」

「ねえ、さっきから「うや、さん!」……は?」


や…やっと言えました!
名前で呼んだ瞬間、力んでいた体の力が抜けていくのを感じました。慣れない事をするのは大変だと、ハルは改めて実感しました。はひ、もう名前で呼ぶのは当分の間お預けですね。お陰様でハルはヘトヘトです。


「ねえ」


…あ、れ?目の前にいる雲雀さんが、仏頂面でハルを見ています。何だかオーラが黒く見えるのハルの気のせいでしょうか。
これはまずい状況です。もしかして雲雀さん、名前で呼ばれるのが嫌いだったのでしょうか?と、とりあえず、機嫌をなおして頂かなければいけませんよね。


「な、なんですか?」

「今何て言った?」

「はひ!?え、えと…雲雀さんの名前を、」

「やり直して」

「…はい?」


やり直し…?まさか、もう一度名前で呼べって事ですか!?む、無理ですよ!それに、名前で呼ぶのは当分の間お預けって決めたばかりですもん。そこは意地でも通すべきですよね!


「い、嫌です」

「駄目」

「駄目って…。じゃあ雲雀さんもハルの事、ハルで呼んで下さい!ハルって呼んでくれたら、も、もう一度呼びます!」


雲雀さんだって、ハルのことを名前で呼んだ事は今まで一度も無かったですもん。ハルだけが雲雀さんの事を名前で呼ぶなんて不公平です!ここは平等にするべきですよね!


「ハル」

「……へ?」


あれ?何で雲雀さんは、こんなにもあっさりハルの名前を呼べるのでしょうか。ハルの予想では、雲雀さんもハルみたいに、中々名前で呼べなくて戸惑うはずだった…のに。


「ハル」

「…ひっ」

「早く呼びなよ」


end.



「む、無理です無理です!て言うか雲雀さん近…っ」

「早くしないと咬み殺すよ」

「それ彼女に言う台詞じゃ無いです!」




何だこの駄文(^言^)


(2010.02.28)



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