復活!/book1
□Please call me
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【Please call me】
雲雀さんと恋人同士になって早半年が経ちました。手を繋いだりデートをしたりと、恋人らしい事はそれなりにしてきました。けれどハルは、ある事をするのを忘れていたんです。…なんとハル、雲雀さんの事を名前で呼んだ事が無いんですよ。
と、いう訳で。今日は名前呼びにチャレンジ!…してみたのですが。
「き、きききき、き…」
「君って日本語喋れない程馬鹿だったっけ?」
「はひ!違います!」
本人の前では、頑張っても“き”までしか言えないんです。いざとなると恥ずかしいし、何だか緊張もしちゃうし。はひ、名前呼びって思ってたよりも難しいです。
でもハルはここで諦める訳にはいかないのです。だって、雲雀さんの顔がだんだん険しくなってきているんですもの。ここで諦めて違う話題をしても、結局は問い詰められるに違いありません。そうなる前に、何としてでもハルが早く言わなければ…!
「き、き…っきょ、」
「ねえ、さっきから「うや、さん!」……は?」
や…やっと言えました!
名前で呼んだ瞬間、力んでいた体の力が抜けていくのを感じました。慣れない事をするのは大変だと、ハルは改めて実感しました。はひ、もう名前で呼ぶのは当分の間お預けですね。お陰様でハルはヘトヘトです。
「ねえ」
…あ、れ?目の前にいる雲雀さんが、仏頂面でハルを見ています。何だかオーラが黒く見えるのハルの気のせいでしょうか。
これはまずい状況です。もしかして雲雀さん、名前で呼ばれるのが嫌いだったのでしょうか?と、とりあえず、機嫌をなおして頂かなければいけませんよね。
「な、なんですか?」
「今何て言った?」
「はひ!?え、えと…雲雀さんの名前を、」
「やり直して」
「…はい?」
やり直し…?まさか、もう一度名前で呼べって事ですか!?む、無理ですよ!それに、名前で呼ぶのは当分の間お預けって決めたばかりですもん。そこは意地でも通すべきですよね!
「い、嫌です」
「駄目」
「駄目って…。じゃあ雲雀さんもハルの事、ハルで呼んで下さい!ハルって呼んでくれたら、も、もう一度呼びます!」
雲雀さんだって、ハルのことを名前で呼んだ事は今まで一度も無かったですもん。ハルだけが雲雀さんの事を名前で呼ぶなんて不公平です!ここは平等にするべきですよね!
「ハル」
「……へ?」
あれ?何で雲雀さんは、こんなにもあっさりハルの名前を呼べるのでしょうか。ハルの予想では、雲雀さんもハルみたいに、中々名前で呼べなくて戸惑うはずだった…のに。
「ハル」
「…ひっ」
「早く呼びなよ」
end.
「む、無理です無理です!て言うか雲雀さん近…っ」
「早くしないと咬み殺すよ」
「それ彼女に言う台詞じゃ無いです!」
何だこの駄文(^言^)
(2010.02.28)
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