復活!/book1
□空回りな恋をした
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【空回りな恋をした】
とにかく一人になりたかった。今頑張って堪えている涙や感情を出せる場所に行きたかった。こんな惨めなハルの姿を、誰にも見られたくなかった。…それなのに、あの人はこんな時までハルの邪魔をしてきましたよ。
「…手、離して下さい」
「離さねえ」
「っ何で…っ」
最悪なことに、ツナさんにフラれてしまった所を獄寺さんに見られてしまったみたいで。フラれた直後、走り出したハルを追いかけて来たのは獄寺さんでした。獄寺さんから捕まらぬようにと、人通りが少なくてややこしい道を選んだけれど、獄寺さんの走るスピードにはかなわず、すぐにハルの腕を掴まれてしまいました。
「獄寺さんには関係無いじゃないですか!」
「ああ。関係ねえよ」
「…っなら、離して下さいよ」
「アホ女には関係ねえ」
「はい?…っもう、意味分かんない…っ」
何なのこの人は。ハルは早く一人になりたいだけなのに。あーもう、せっかく堪えてたのに涙が出てきてしまいました。しかも、獄寺さんが変なことを言うから、色んな感情が込み上げてきます。…この人はいったい、どれだけハルの邪魔をすれば気が済むのでしょうか。
「…もう…ほっといて下さいよ…っ」
「よく聞けアホ女」
「……」
「俺はアホ女が十代目にフラれて良かったと思ってる」
「…っな、」
「十代目は元々、笹川が好きだったからな。アホ女はフラれて当然だろ」
「や、」
「叶いもしない片想いが終わって良かったじゃねえか」
「…っ!」
そんなこと、わざわざ言われなくても分かってますよ。どうして獄寺さんは、ハルが傷付くことばかり言ってくるでしょうか。そんなにハルを傷付けたいのでしょうか。…ハルのことが嫌いなら、直接嫌いと言って下さればいいのに。
「…もう、いいです。獄寺さんの気持ちはよく分かりました」
「は?」
「ハルも獄寺さんのことが大嫌いですから」
「……な、」
「腕、痛いんですよ。いい加減離して下さい」
「…っ違えよアホ!」
「何が違うんですか!?」
「嫌いだったらフラれて良かったなんて思わねえ!」
「は、ひ…?」
「俺は、てめえが好きなんだよ…ハル」
捕まれたままの腕。獄寺さんの耳がほんのりと赤く染まる。込み上げては消えていく感情。涙は止まってしまった。
ハルはいったい、どうすれば良いのでしょうか?
end.
gdgdにも程がある,
不器用な獄寺と、ツナにフラれてショックを受けてるハルが書きたかったのになorz
(2010.01.17)
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