復活!/book1

膨れっ面に愛を
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【膨れっ面に愛を】
(※10年後設定)




もういいです。期待したハルが馬鹿でした。

そうですよ、あの人が自分の誕生日の為に、わざわざ日本に帰ってくるわけ無いじゃないですか。きっと今頃、大量のボムを両手いっぱいに持って、たくさんのマフィアを殺してるに違いありません。だって、あの人はボンゴレファミリーというマフィアの一員で。しかも、ボスの自称右腕ですし。それに、ハルなんかよりもボスの方が大切なんでしょうし(何なんですか。あんなキラキラした顔、ハルの前では滅多に見せないクセに)。

所詮、あの人の頭の中はボスと任務でいっぱいなんです。ハルのことなんて、頭の中のほんの片隅にだって、置いて無いんですよ。そのお陰で、ハルはデートを何度もボイコットされました。クリスマスもお正月もお盆も、バラバラで過ごしましたよね?電話やメールも、年に数回しかくれませんしね。

もういいです。
今年もハルは、ひとりぼっちで、帰って来ないあの人の誕生日を祝います。
ケーキはワンホールありますが、ノープロブレムです。ハル感謝デーを今日にチェンジです。それにハル、ケーキが大好きなんですよ。特に、ラ・ナミモリーヌのケーキは。だからこれぐらい、余裕なんです。

……なんて思ってたのに。

「……何で…帰って来たんですか…」
「はぁ?てめえが帰って来いって言ったからだろ」

何なんですかもう。
帰って来るなら来るで連絡して下さいよ。こんなサプライズ、ハルは求めてません。

「……」
「なっ!?……泣くんじゃねーよ」

悔しいです。何でそんな急に彼氏らしいことしてくれたんですか。
何オロオロしてるんですか。会いたく無くて泣いてるわけないじゃないです。確かに、急に帰って来たのにはびっくりしましたけど、そんな理由でハルは泣きません。

…嬉し涙ですよ、バカ。


end.





ちょっと拗ねたハルが書きたくて。
獄寺の出番がかなり少なくてすいません。

今さらですが獄寺、お誕生日おめでとうございました。


(2009,10,08)



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