復活!/book1
□夏色花火
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【夏色花火】
花火がしたい、と。夏休みが始まったと同時に毎日僕に言ってくる三浦ハル。
僕が拒否をすれば、三浦は諦めずに何度も何度も説得してくる。そんな三浦に昨日、僕は言ったんだ。僕は群れるのが嫌いだ、と。その瞬間、少しだけ三浦の表情が曇った。これで花火の件は諦めてくれる。…そう思った僕が、甘かった。
「じゃあ、二人ですれば良いんですよ!」
まさかの展開。こんなはずでは無かったのに、と三浦を見ながら唖然とする僕を見ることも無く、三浦は楽しみですとはしゃいでいた。
そして一日経った今日。ちなみに時刻は午後八時。僕は無理やり三浦に腕を引っ張られ、並盛中の屋上にいる。
「はひー…綺麗です…」
うっとりしながら花火を満喫している三浦。バチバチと音をたてながら色鮮やかに光る花火は、確かに綺麗だった。
「雲雀さんもやりませんか?」
「嫌だ」
「えー!」
こんなに楽しいのに、とか何とかうだうだと言いながら、再び花火を再開する三浦。右手で持っていた花火の火が消えたとき、三浦は僕の方に顔を向けた。
「雲雀さん。ハルのわがままに付き合って下さって、ありがとうございました!」
「…別にいいよ」
「ふふっ。ハルは今、スペシャルハッピーです!」
にこにこと笑ながら、新しい花火に手をのばす三浦。
たった数十本の花火で馬鹿みたいに喜ぶ三浦も単純だけど、そんな三浦を見て、こんな日もたまには良いかも知れないと思ってしまった僕も、単純なのかも知れない。
「来年も一緒にしましょうね!」
「…好きにすれば」
「はひ…っ!約束ですよ、雲雀さん!」
end.
全体的にぐだぐだしていてごめんなさい。
夏ネタ書けて良かった。
(2009,07,29)
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