灰男/book*
□アオゾラランチ
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【アオゾラランチ】
(※学園パロディ)
『明日のお昼、一緒に食べない?』
昨日の夜、送ろうか送るまいか30分以上迷って、結局送ってしまったメール。気になる彼からの返事は、
『好きにしろ』
とても嬉しいお返しだった。……だけど、ここからが問題で。
『神田の分のお弁当も作ってくるからね!』
(嗚呼、何でこんな事を返信しちゃったんだろう。)
朝お弁当を作ってる時、返信がきて舞い上がっていた昨日の自分を少しだけ恨んだ。
食べる場所はベタに屋上を選んだ。いつもなら、お昼の時間は屋上が開いてなくて入れないんだけど、先生に鍵を貸してくれないかと頼んでみたら、意外とあっさり貸してくれた。(凄くラッキー!)
神田と私、向かい合わせに床に座って。お弁当箱も床に置いて、小さく一息。
「それじゃあ、開けるね?」
恐る恐るお弁当箱のフタを開ける。
「…やっぱり、」
予感的中。おかずとご飯が右側に寄っていた。
朝、学校に遅刻しそうになって、教室まで全力で走ってしまった自分を殴りたくなった。(本当、私のバカ。)
「食べていいか?」
「う、うん!…ごめんね、かたがってて。」
「気にしない」
ぱくり。
神田が卵焼きを口に入れた。
「……美味しい?」
「あぁ。」
「甘い方が良かった?」
「甘いもんは嫌いだ」
「クスッ…だよね」
結構悩んでしまった、卵焼きの味付け。
私は砂糖入りの方が好きなんだけど、神田は甘いものが嫌いだからお醤油にしてみた。結果は…成功だったみたい。
その後も神田は文句一つ言わず、次々と私の作ったお弁当を食べていった。
「うまかった。」
箸を置き、私の目を見て一言。空っぽになったお弁当を見ると、胸がキュンときた。(…どうしよう、今すごく幸せかも。)
お弁当箱を片付けて一休みしていた時、チャイムが鳴り響いた。
「……戻るか」
「!」
床から立ち上がった神田が、手を差し伸べてくれた。
私も床から立ち上がると、手を繋いだまま、神田は屋上の出口の方へと歩き出した。
「…また一緒に食べようね?」
小さく呟いた私の言葉に、神田は小さくうなずいてくれた。
(またお弁当づくり、頑張ろうかな!)
決意と共に、繋いでいる神田の手に少しだけ力を加えた。
end.
キラキラした青春っぽいのが書きたかったんです。(何で)
悠ちゃん、はっぴーばーすでー!生まれてきてくれてありがとう(;ω;)
誕生日と全く関係のない内容ですが、貰って下さると嬉しいです。
(2009,03,08)
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