□拝啓、愛しい貴女へ
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木々が芽吹き、雪が溶け、春の訪れを感じられるようになりました。


貴女はお元気でしょうか。



…お元気でしょうか、なんておかしな話ですね。

貴女はもうこの世にはいないのに。





そちらはいかがですか?


私は…そうですね、相変わらずです。


ですが強いて言うなら少し退屈ですね。


貴女が病で亡くなってからは、お葬式や何やらで忙しい日々が続きましたから。



そうそう、私も貴女のお葬式に参列したんですよ。


たくさんの方が来て下さって…貴女は本当に、いろいろな方から好かれていたのですね。



貴女のご友人の一人に、何故そう平然としていられるんだと叱られました。


お葬式というのは初めてなものですから。

今まで、契約を果たす前に主人が亡くなるなんてことはありませんでしたので。



ただ涙を流していればよかったんでしょうか?


そんなの、貴女に笑われてしまいますね。

嗚呼、柄にもなく貴女にこんな手紙を書いている時点で笑われていますか。




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