頂き物
□とある日の朝
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一つ年下の、可愛かった幼なじみは…
いつの間にか、立派な『男』になっていました。
【とある日の朝】
「―――行ってきます!」
大学生らしからぬ大声を上げ、私は玄関から外に出た。
空を見上げれば、澄み切った青空が広がっている。
「うーんッ…いい朝だ!」
言うと同時に、思いっきり伸びをした。
久しぶりに見ることが出来た青空。
それが嬉しくて、私のテンションは上がり気味だ。
冬が近い事もあり、肌寒く感じられなくもなかったが、それはまぁ、日本に住んでいるんだから仕方ない。
「…んじゃ、行ってくるな」
そんな風に一人で考えていると、聞き慣れた声とともに、隣の家から制服姿の男の子が出てきた。
一つ年下、高校三年生の幼なじみだ。
「………颯介、おはよう」
ゆっくりと近寄って話し掛けると、颯介は一瞬だけ驚いた顔をして、にっこりと笑った。
「おはよう、暦」
…颯介は、年上の私を下の名前で呼ぶ。
しかも呼び捨て。
でも私は、それが悪い事だとは思っていない。
年齢なんかに縛られず親しく感じられて、寧ろいいとさえ思う。