恋華の広場

□小さな恋のメロディ<後編>
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大きな琥珀色の瞳はゆらゆらと揺れていて、桜色の唇は小刻みに震えていた。それでもカガリは、無理矢理笑顔を浮かべながら話し掛けてきた。


「ど、どうしたんだよ…?私、何か気に障るような事したか?」

「したよ。カガリは無意識に俺を傷つけたんだ」


ベッドから降りて、扉の前にいるカガリに近づいた。カガリは俺の心ない言葉に目を見開いた後、先程よりも瞳を揺らした。
なぜだろう…カガリの泣き顔なんて本当は見たくないのに、残酷な言葉を浴びせてもっと傷つけてやりたいと思うもう一人の俺がいた。
泣くのを必死に堪えているカガリの腕を乱暴に掴み、ベッドまで引きずった。そのせいで夕食を乗せたお盆は、ガシャンと音をたてて絨毯の上に落ちてしまった。
カガリは俺の言葉にショックを受けていたせいで、汚れてしまった絨毯を気にする事もなく、なすがままになっていた。

カガリのしなやかな体をベッドに押し倒して、呆然としている彼女に噛み付くようなキスをした。そこでやっと我に返ったカガリは、体を捩りながら抵抗をした。
けれど、俺がカガリの豊かな胸に触れた瞬間、抵抗を一瞬だけやめた。その隙を逃さなかった俺は、舌を口内に滑り込ませながら手で胸を揉んだ。


「んむ…ふぁ…や、やめ…んん!」


また抵抗を始めたカガリは、俺の肩に手を置いて押し返そうとした。そんなカガリの抵抗に苛立った俺は、ジーンズ越しに彼女の内股を撫でた。
すると、カガリは今まで以上に抵抗して俺の体を押し退けた。やはり、小学生の俺の力では高校生のカガリの力に勝てるはずもなく、無様にベッドの上に転がってしまった。
あまりにも勢いよく転がったので、カガリは慌てて近寄ってきた。


「ご、ごめん!大丈夫か!?」

「………けよ」

「え?」


呟くように言った俺の言葉が聞き取れなかったカガリは、顔だけ少し近付けてきた。首を傾げるカガリにムカついた俺は、鋭い目付きでカガリを睨んだ。

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