苦華の森

□夢見る花嫁15
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青葉が生い茂り、初夏の兆しが見え始めた季節


『お父様〜〜〜〜!!』


『そんなに急いで、転びでもしたら危ないぞカガリ』


若かりし頃のウズミがフリルのワンピースを翻しながら走ってきた幼いカガリを抱き上げ微笑む光景


『お父様はお母様が亡くなってさみしいですか?』


『急にどうしたのだ?』


ウズミの首に小さな腕を懸命に伸ばし抱きつくカガリ

『カガリはさびしくなんかありません…お母様はいつもカガリの心といっしょに居てくださると言っていました』


寂しくないと、言うカガリが泣き声になっていることに、ウズミは寂しくはないのだと理解した

『そうかそうか、私もそなたがここに居て、心にお母さんが居てくれるから寂しくなどないぞ』

涙を零すカガリの頭をよしよしと大きな手で撫でるウズミ


『本当ですか?それなら、今度はカガリがお父様の花嫁さんになります////』


『そ、それは楽しみだな』


意味を理解しないで話すカガリを苦笑しながら抱きしめる



・・・



カガリが母親を病気で亡くした時の夢


「懐かしい夢を見たな…」


起き上がり、カレンダーを見るウズミ。


日付はパーティー当日を記していた...



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