恋華の広場

□小さな恋のメロディ<後編>
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まだまだ心も体も子供だけど、君に見合う男になってみせるから

だから、待っていてくれ…カガリ










小さな恋のメロディ―誕生日大作戦・後編―











カガリと寄り添っている男は、長身で知的な雰囲気を持つ男だった。顔も整っていて、さぞかしモテるだろう。
カガリと並んでいる姿がすごく似合っていて、俺は動けずにいた。先程までがやがやしていた店内の喧騒も、俺の耳には届かなくなった。
俺とラクスは、ジッとカガリ達の方を見つめていた。すると、俺達の視線に気付いたカガリは、満面の笑みを浮かべて手を振ってきた。
いつもなら、可愛らしいと思う仕草も今はただイライラするだけだった。


「アスラン、ラクス!お前達、二人だけで買い物に来たのか?」

「二人だけだと危ないから、僕達と一緒に行動しない?あとでアイスクリーム買ってあげるよ」


俺たちの気持ちなんて知らないカガリとキラは、残酷な言葉を吐く。彼らは、小学生である俺とラクスだけでは何かあったら大変だと言う。
キラの腕に甘えるように自分の腕を絡めていた赤毛の女と、カガリと恋人のように仲良く寄り添っていた銀髪の男は、俺とラクスを下から上に視線を動かしながら、何か納得がいったように頷いた。


「この子達、キラとカガリの義理の弟君と妹ちゃんね。すっごく、可愛らしいわね〜」

「しかし、保護者同伴ではなく自分達だけでショッピングモールに来るのは感心できんな」

「まぁまぁ、そんな硬い事言わず…私はフレイ・アルスターよ。よろしくね?」


赤毛の女――フレイ・アルスターが、まず俺たちに自己紹介してきた。そして銀髪の男も「俺はイザーク・ジュールだ」と名乗った。
いつもの俺たちなら丁寧に挨拶を返したが、コイツらには名前すら名乗りたくなかった。ラクスも、むすっとしながらフレイ・アルスターを睨んでいた。

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